相続の基礎知識

こちらでは相続の基礎知識についてご説明いたします。

ご家族が亡くなると相続が発生し、故人（被相続人）が生前所有していた財産は相続人の共有財産となります。
このように被相続人の財産を引き継ぐことを遺産相続といい、遺産相続では原則、被相続人が残した遺言書の内容が優先されるため、相続人は遺言書の内容に従い遺産分割を行います。
遺言書のない相続の場合は相続人全員で遺産の分割方法について話し合う、遺産分割協議をもって決定します。

ご家族が亡くなると、葬儀埋葬、市役所等への各種届出、相続人の確定、財産調査、遺産分割協議、財産の名義変更など、多岐にわたる相続手続きを短期間で行わなければなりません。また、人によっては相続税の申告納税も行います。

相続手続きは専門的な知識のない方が行うには難しい分野です。人生において相続手続きを何度も経験される方はそうそういませんので不慣れなのは当然ですが、相続税の申告のように期限が設けられているものもあり、一筋縄ではいかないのが現実です。

スムーズな相続のためにも前もって相続の一連の流れを確認しておき、いざとなったら速やかに手続きを始められるようにしましょう。

また、相続手続きの中には資料等の取り寄せに多くの時間を要するものがあります。
特に法定相続人確定のための戸籍収集は、被相続人の出生から亡くなるまで住んでいた全地域の戸籍を収集しなければならず、思いのほか早く時間が過ぎてしまいます。

遺産分割協議を進めるにあたり、相続人確定のための戸籍収集、被相続人の全財産を明らかにするための財産調査など、やらなければならない手続きがいくつかあります。
財産調査の際は、被相続人の通帳や不動産の権利書等を調査し、課税対象となる財産とならない財産をすぐに把握できるよう財産目録を作成しておきましょう。

また、相続財産には現金や不動産のようなプラスの財産だけでなく、借金等の債務であるマイナスの財産も含まれることを忘れないように心がける必要があります。
財産調査の結果、マイナスの財産のほうが多い場合は相続放棄を視野に入れることもありますので、財産調査は慎重に行うことが重要です。

なお、相続財産の内容によっては相続税の申告納税を行うことになります。相続税の申告納税には期限が設けられているので、早急に手続きを進めましょう。

これらすべての手続きを滞りなく行うことは相続の専門家ですら難しく、慎重に行う必要があります。
ましてや相続手続きに慣れていない方が行う場合は多くの時間を要するだけでなく、手続きのミスを招く可能性があるため注意しなければなりません。

また、相続人が多くなるほど揉め事が起こる可能性も高くなり、相続を機に親族同士の仲が悪くなるケースも考えられます。今のうちから相続の基礎知識に触れ、いざとなった時にはスムーズな相続手続きを実現させられるようにしておくと良いでしょう。