堺なかもず相続相談センターの
相続手続きに関する相談事例
なかもずの方より遺言書についてのご相談
2023年07月03日
遺言書を、父と母の連名で作成していました。司法書士の先生、この遺言書は法的効力を持ちますか?(なかもず)
先日、なかもずに暮らしていた父が亡くなりました。近頃は病院にお世話になることも多く、私たち家族もある程度覚悟はしていました。相続人は母と私と妹の3人です。なかもずに父の所有していた不動産がいくつかあるのですが、父は遺言書を作成したと生前に話していたので、相続手続きについては揉めずに終えれそうだと安心していました。
しかし、なかもずの自宅で遺言書を保管していた母が「財産の分け方についてお父さんとしっかり話し合って、遺言書に連名で署名したからね」と言い出したので驚きました。遺言書を連名で作成するのは聞いたことがないのですが、この遺言書には法的効力が生じるのでしょうか。(なかもず)
2人以上で作成した遺言書は、法的に無効となります。
民法では「共同遺言の禁止」が定められており、一つの遺言書を2人以上の者が共同して作成することを禁じています。これは、婚姻関係にある夫婦であっても同様です。それゆえ、残念ではありますが今回ご相談いただいた遺言書は法的に無効となります。
遺言書は、遺言者の自由な意思を記すための書面です。もしも一つの遺言書を複数名で作成してしまうと、1人が主導的な立場になり、その他の者の意思は反映されずに作成したのではないかという疑いを拭いきれません。これでは遺言者それぞれの自由な意思を反映したとはいえないのです。
また遺言書の撤回は遺言者の自由に行われるべきですが、複数名で署名した場合は誰か一人でも反対すれば撤回することは出来なくなってしまいます。つまり遺言書の撤回の自由も奪われてしまうということです。
このように遺言者本人のほかに第三者が介入してしまうと、遺言者の自由な意思に制約がかかってしまいます。これを防ぐために遺言書の方式は民法で細かく定められており、その方式に従わずに作成した遺言書は法的に無効となるのです。
ご自身で作成し自宅などで保管する「自筆証書遺言」は費用もかからず手軽ではありますが、せっかく作成した遺言書も方式不備によって無効となってしまっては意味がありません。もしもなかもずにお住いでこれから遺言書を作成したいと考えている方は、遺言書についての知識を備えた専門家に相談されると安心です。
堺なかもず相続相談センターでは、なかもずの皆様の遺言書作成もサポートしております。どうぞお気軽に堺なかもず相続相談センターの初回無料相談をご利用ください。