一世代前の登記がされていなかった場合
相続により取得した土地の相続登記をしようとしたら、一世代前となる祖父の名義のままだったというケースは少なくありません。
現在のところ、相続登記には期限やペナルティは設けられていないため、見過ごしやすい手続きのひとつとなっています。
しかしながら相続登記を放置したままでいると相続人の関係性が複雑化し、遺産分割がより困難となってしまう恐れがあるだけでなく、2024年には相続登記が義務化されるため、いずれは過料が課せられることになります。
相続した不動産の相続登記がされていなかった場合、一世代前に遺産分割協議が完了しているかどうかの確認を行う必要があります。
このような場合の不動産登記の対応方法について、例を挙げてご説明いたします。
一世代前の名義変更が完了していなかった場合の対応方法
例 相続財産:不動産(自宅) 5,000万円
登記簿上の名義:祖父A
被相続人:父B(令和3年に死去)
相続人:妻 長男 次男
*祖母は祖父が亡くなる3年前に他界。父には存命の弟Cがいる。
父Bの存命中に、祖父Aの相続の遺産分割協議が完了している場合
祖父Aの相続において相続人となるのは、父Bと弟Cです。
父B、弟Cとの間で遺産分割協議が完了している場合は、そのまま登記手続きを進めることができます。
当時の遺産分割協議において、父Bが自宅を相続する旨の記載がされた遺産分割協議書があった場合は、妻、長男、次男の3者で遺産分割協議を行い、次の取得者を決めます。
父Bの存命中に、祖父Aの相続の遺産分割協議が未了の場合
弟Cと父Bの妻、長男、次男で遺産分割協議を行います。このことを数次相続といいます。
中間省略登記
原則、相続登記は順番通りに行いますが、1次相続が単独相続である場合は1次相続の登記を省略できます。このことを中間省略登記といい、相続放棄や遺産分割により単独相続になった場合においても有効です。
中間省略登記は1回で登記を済ますことができるだけでなく、登録免許税も抑えられます。
戸籍の収集には注意が必要
中間省略登記を行う場合でも、1次相続、2次相続ともに、必要な一連の戸籍を用意して提出しなければならないため、戸籍の収集には通常の戸籍収集よりも多くの時間を要する恐れがあります。
相続登記の放置期間が長ければ長いほど昔の戸籍を収集することになり、個人で一連の作業を行うのは非常に困難です。
また、昔の戸籍は解読に時間がかかる可能性があるので、さらに多くの時間がかかることを覚悟しなければなりません。
このような相続登記にお悩みの方は、堺なかもず相続相談センターの司法書士にご相談ください。お客様の状況にあわせて、相続のプロが最善の策を提案させていただきます。