財産目録の作成
亡くなった方（被相続人）にどのような相続財産があるのか、明確にするために作成するのが「財産目録」です。
被相続人が生前に、自分自身の財産を書面にしてまとめていれば問題はないのですが、通常そういったことはほとんどありません。それゆえ、相続人や専門家が相続財産の調査を行い、それをもとに財産目録を作成するのが一般的です。
専門家でない方にとって難しいのがこの財産調査の仕方であり、財産調査を難しくしてしまうケースとしてよくあるのが、兄弟や前妻・後妻の間などで財産を互いに明確にしない場合などです。
こうした場合でも相続手続きのプロであればある程度の財産調査ができますので、遺産分割に必要な相続財産の全体像を導き出すことも可能です。
財産目録の重要性とは
いずれにせよ相続財産にどのようなものがあるのか、どれくらいあるのかを明確に把握しなければ、そもそも相続人間で遺産分割協議をすることはできません。
つまり、財産目録をきちんと作成しなければ、下記のような不具合が出てしまうというわけです。
- プラス財産とマイナス財産の比較ができないため、どのように相続したらよいのか、相続する方法（相続放棄など）の決定に関する判断がつかない
- 財産の全体像がわからないので、遺産分割ができない
- 遺産分割ができないため、正式に預貯金の引き出しや解約手続きが進められない
- 不動産の名義変更をしたくても法務局が受け付けてくれない
- 財産の総額が明確になっていないので相続税が発生するかどうかわからず、期限となる10か月以内に相続税申告をすることができない
※相続税の控除が使えないので、多額の税金を払わなくてはならない事態を招いてしまう
上記を見てもわかるように、財産目録をしっかり作成しないと不利益を被るばかりで、まったく良いことはありません。 財産目録の作成は非常に煩雑な作業となりますが、なるべく早い段階で着手することをおすすめいたします。
財産目録の作成や財産調査がうまく進まないようであれば、専門家である司法書士・行政書士に相談するのもひとつの方法です。
